どうしてハーブなのか
一昨年からハーブ苗の販売を初めて、年々、種類を増やし、
今年に至っては、80種類を超えました。
一年に一度しか、育てるチャンスは訪れないので、
気になるハーブとはお付き合いしておきたいのです
まずは、付き合ってみないと、そのハーブの魅力はわからないし、自分との相性はわかりません。
宇宙も、人のハートも拡大と収縮をくりかえすように、
今はハーブの種類を増やしていますが、次第に減らしていくかもしれません。
でも、そのサイクルの長さは、まだわからないので
ひょっとしたら、収縮はまだ先で、まだ拡大していくかもしれません。
ところで、どうして、こんなにハーブにはまっているのかな、と考えてみました。
まず、ハーブとの出会いをさかのぼってみますと、
小中学生くらいのときだったかと思います。
母とデパートの食器、バスタオルなど日用品フロアにいくと、
その一角には、たいてい暮らしの中の香りのコーナー、アロマコーナーがありました。
母が食器を選んでいる間、私は香りのコーナーで、
いろいろな香りを試しては、うっとりしていました。
自分で買うようになったのは高校生のとき。
部活が休みの時など、いつもよりも早めに帰る時、真っすぐ帰るのはつまらない。
違う世界に立ち寄って、いつもと違う時間を過ごしたくなって
本屋さんか、文具屋さんか、かわいい雑貨屋さんに寄っていました。
行きつけの雑貨屋さんには魅力的な文房具の他に、魅惑のアロマコーナーがあって、
やはり、そこで、クンクンしながら、グレープフルーツとか、ラベンダーとか、
ティーツリーとか、ユーカリとか、ローズウッドとか、
その香り楽しみつつ、効能もチェックしながらオイルを少しずつ買っていました。
寝る前にラベンダー、勉強の間のリフレッシュにグレープフルーツ、
ちょっと喉が変だからティーツリー。
そんな風に自分なりに暮らしに取り入れていました。
香りに影響されるタイプなのかもしれません。
特に意識するともなく、芳香、アロマとのお付き合いはあったのですが、
農業の中でハーブの魅力にはまったのも香りから。
暑い中、汗をかきつつ作業しているときに、
ふと、足元から漂う爽やかなミントの香り。
一気に気分がよく、爽やかな心地になったことからだと思います。
作業中、ふと腕に当たったホーリーバジルから放たれる甘い香りに、幸福感。
その瞬間に幸せになる。香りの力。
ケールや小松菜などの葉物野菜やナスなどの果菜類の美味しさでも幸せになることができますが、
家に持ち帰って、調理して、食卓に並べて、食べて、というステップを経てから。
ところが、ハーブときたら、触れただけで、すぐに幸せな気持ちがやってくる。
そばに植えておくだけで、すぐに幸せ。
生き急ぐ私にはピッタリの作物です。
それから、栽培が容易。
品種改良など、ほとんどされていないものが多いハーブ。
(私が育てているものは在来種ばかり。)
野生の強さを感じます。
ハーブを育ててから、野菜栽培がいかに難しいか、手間がかかるかに気づきました。
人間の都合で長い年月をかけて改良されてきたものがほとんどなので
まず、多少は手をかけなければ、まともに育たない。
とんでもなく手間暇がかかる野菜も多い。
ハーブに比べたら、そんな印象です。
化学肥料と農薬で育てる前提の野菜だなぁ、うちでは無理だなぁ、
そう思って栽培をやめてきた野菜たちも、これまでに結構ありました。
私の中で、ブロッコリーは、その代表選手。
美味しいですが、うちでは栽培はあきらめています。
中からヒョッコリ虫さんが登場しても良いならば別ですが、、、
そんな、とにかく丈夫で、楽に育てられるハーブ
何か育ててみたい。けれど、自信がない。何を育てたらよいですか?
そう聞かれると、すぐにハーブ!とお答えしています。
まず、死なないハーブは、これ!
とにかく丈夫なハーブはこれ!
条件によっては越冬しないかもだけど、だいだいいけるハーブはこれ!
難しいけど、ロマンはこれ!
いろいろなニーズにお応えできるいろいろなハーブたち。
香り、見た目、丈夫さ、いろいろな魅力があります。
そして、いろいろな効能。
どれも薬草のようです。
野菜に比べると、味わいも濃厚。
モシャモシャと沢山食べるには向かないくらい、
ぎゅっと詰まった味わい。
だからお料理のアクセントになるのでしょうね。
栄養、要素なども濃厚に含まれているような気がします。
味も、栄養も野生の強さがあるような気がします。
だから、摂取するのは少しの量でよくって、
でも少しずつ、いろいろなハーブを取り入れるのが良いのではないかと思います。
野菜が遠い昔においてきてしまった力が、ハーブにはあるような気がするのです。
暮らしに気軽にハーブの力を取り入れることができたら素敵だな。
ハーブを楽しむ人が増えたら楽しいな。
そんな想いで育てています。
そうそう、ハーブは、我が家の愛鳥たち、
トカちゃん、チーちゃんが食べられるもの、喜ぶものも多いのです。
それも、栽培の大きな動機の一つです。
嬉しそうに食べてくれている様子を見て、
改めて、育てて良かった!、もっと育てよう!と思います。
大切な家族、みんなで楽しめるのも、ハーブの魅力。
これまでは苗だけで販売していましたが、
育てる時間や場所はないけれど、取り入れたい。
そういう願いをお持ちのかたもいらっしゃると思いました。
私が育てて、野菜と同じように販売すればいいんだ、と気づいたのは昨年末。
今年から、全てのハーブを切り売りできるようにしたいと思っています。
ドライのハーブもいいけれど、
ハーブの美味しさ、香りを楽しむのはフレッシュでしょ!
そんなことが書いてある本を読みました。
ドライにするのはフレッシュを収穫できない冬季のための保存用なのだとか。
なるほど、確かに、と合点しました。
そんなわけで、じわりじわりと、フレッシュハーブの切り売りを増やしています。
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